会長挨拶
香西 克之
この度、日本子ども虐待防止歯科研究会の会長に推挙していただき心より御礼申し上げます。同時にこれからの本会の舵取りを託され身の引き締まる思いです。
私の本会への考えや今後の方針の所信について、会長選考の際に理事の先生方に提示した立候補宣言を元に会員の皆様にご提示させていただきます。同時に、会員の方々からも建設的なご意見をお寄せいただければ幸いです。
2015年に虐待予防に関する諸問題を取り上げ、歯科領域から専門的に問題提起し、解決するために協議する場として日本子ども虐待防止歯科研究会が渡部茂先生を会長として設立され、私も副会長として研究会を支えてきました。 第3回日本子ども虐待防止歯科研究会学術大会広島開催では準備委員長を務めさせていただきました。
私が子ども虐待防止活動に最初に関わったのは、2008年日本子ども虐待防止学会第14回学術大会が広島で開催されたときで、当時は齲蝕とネグレクトの関係が言及された頃で、初めて歯科領域のシンポジウムを行った大会でもありました。それを契機として、広島県内の一時保護所で保護された子どもの毎月の歯科健診と歯口清掃指導を10年以上にわたって実施してきました。さらに保護児童の入所時の歯科検診実施と公的補助が歯科医師会との連携で一部の自治体で実現されつつあることは、本研究会の目指すところでもあり成果の一つといえます。
今後さらに本研究会を有意義な会にするための目標は以下の通りです。
1. 本研究会の活動や貢献を様々な機会を通じて広く社会にアピールする
2.子ども虐待防止対策に関係する歯科領域の試みやエビデンスを研究会で情報共有する
3.子ども虐待防止の歯学教育をさらに充実する
4.多職種との連携や情報共有を図り、行政への政策提言を行う
これらの目標を達成するためには、歯科医師、歯科衛生士、歯学教育関係者など広い職域から会員増加を図り、さらに日本歯科医師会および各都道府県歯科医師会、29大学歯学部、日本歯科医学会などのサポートも受けることによって、組織をさらに強固なものにしたいと思います。
一人でも多くの子どもを救うために、是非ともご支援くださいますよう心よりお願い申し上げます。
研究課題
- 虐待・ネグレクトに関する歯科学的な分析
- 生活環境を包括した日常診療の構築
- 口腔環境と生活環境の関係についての歯科学的な分析
- 口腔健診の意識改革
- 口腔健診の歯科医への教育、精度改革
- 学校歯科健診、幼稚園・保育所歯科健診改革
- 校医(園医)と学校(幼稚園)との有機的な関係構築
- 学校・幼稚園・保育園での口腔健診のあり方、方法、健診結果の分析
- 口腔の健康を学校教育の一環として扱うことへのEBMの確立
- 事後支援のための歯科治療ネットワークの構築
- 保護施設での歯科的支援
- 虐待・ネグレクト関連事項を、子どもに教育するための教材の作成
- 障害・病気を持った子への対策
役員一覧
現在準備中
研究会規約
「日本子ども虐待防止歯科研究会 規約」を開く PDF形式(126KB)